冬来たりなば春とうがらし

これまでに経験した困ったことと、その解決法らしきもののまとめ。あと読んだ本。

リーマンショック(和製英語)

もうだいぶ昔になるけど、2009年から2011年まで、アメリカのオレゴン州にあるポートランドという街に住んでました。その前の、2008年4月に2週間ほどポートランドに滞在したのですが、そのときは「そろそろ景気ヤバイかも?」くらいの雰囲気で、街に活気があり、ポートランドが好きになりました(それまでアンチアメリカ()だったのはヒミツである)。

で、半年ちょい後の2009年1月にポートランドに着いてみると。街の中心広場周辺のテナントが歯抜けになっており、広場前の一等地に支店を持っていたWashington Mutualという銀行はつぶれてた(笑。ポートランド一番のemployerはインテルなので、他の産業に先駆けてリストラを始めていて、またたくまに失業率は10パーを超えたのでした。余談の余談ですが、このあと公共機関のリストラも始まって、バス運転手がリストラされて、バス路線の数と、バスの運行頻度が減ったことに、公務員is安定と思っていたザ・日本人の私は衝撃を受けたのでした。

アメリカでは一般ピーポーも小切手をよく使うので、生活するためには銀行口座を作らないといけない。仕事先(大学の研究室)のボス(当然アメリカ人)に「どこの銀行がええのん?」と聞いたら、「Bank of AmericaかWells Fargoかなあ」と言われたので、「どっちの銀行が安全なん?」とさらに聞くと、「安全な銀行なんてアメリカにはないよ!」と断言されたのでした(・・・)。

職場(大学)から一番近いATMがWells Fargoのだったので、エイヤーでWells Fargoの口座を作ることに(Wells Fargoの支店と日本領事館が同じビルに入っているのも便利そうだったので←実際はどうでもよかった)。アメリカの銀行は、日本の銀行の何倍も入りにくい(高貴な)雰囲気なので、ドキドキしながら入店してみると、意外とすんなり身なりの良いお姉さんバンカーに、彼女のデスクまで案内してもらえた。ここまではよかった。

で、銀行口座の種類とそれぞれの利点・難点の説明が始まったのだが、何を言っているのか全くわからない。お姉さんバンカーの英語は非常にクリアで聞き取りやすい発音だったのだけど、金融の英単語なんて一つも知らないので、全くついていけない。今思うと、口座維持手数料とそれを回避する方法を口座の種類ごとに説明していたと思うのだけど、その時は瞳孔開けるくらいしかすることなかった。じきにお姉さんも私の状態を察して、「とりあえずアナタに合ってそうな口座にしておくねー、あとネットバンキングのIDとパスワードもこっちで決めとくから!」と超明るいアメリカンな感じで、訳の分からない口座を作ってもらって、仮の小切手帳をもらって帰ったのでした。

ホンモノの小切手帳(名前と住所が印刷されてる)は一ヶ月くらいしたら届くよと言われたのだが、2ヶ月たっても送られてこず、じきに仮の小切手が尽きてきた。一番苦手な電話で、震えながら銀行にクレームを入れたら、「もう送った」「届いてない」の不毛なやり取りに。英語表現のレパートリーがなさすぎたので、「届いてない」を連呼してたら向こうが折れて、その後すぐ送られてきた。やっぱり送ってなかったんやんけ!

というわけで、アメリカでの銀行口座作りは人生で二度とやりたくないことの1つです。タイトルは詐欺です。

この話の教訓:とくになし