冬来たりなば春とうがらし

これまでに経験した困ったことと、その解決法らしきもののまとめ。あと読んだ本。

押して、引く

 先日、久しぶりに友人の結婚式に出席しました。結婚式に出るたび思うことは、多くの人に祝福されるというのはいいものだなあ、ということです(月なみですが。生きていて辛いことがあっても、人に祝福された経験を思い出すことができれば、乗り越える糧になることもあるのではないかと思ったりします。

 また今回は、これも久しぶりですが、結婚式二次会パーティのお手伝いをさせていただきました。私は怠惰な人間ですので、ほとんどの仕事を人任せにして、大変楽させていただいたのですが、ここで一つ、仕事の流儀()について一言二言三言述べようと思います。多くの場合、この手のパーティは新郎友人と新婦の友人とか、学生時代の友人と社会人になってからの友人とか、これまでとくに関係性のなかった人(いわゆる他人)同士で作り上げていくことが多いと思います。また、学生の時ならともかく、社会人になってからだと打ち合わせや準備に多くの時間を割くことが非常に難しく、限られた時間で「うまく」お祝いできるようにする必要があります。これがなかなかの難題であったりするわけですが、そのためのポイントとしては、

1 仕事の割り振りをきちっとする。
 上にも書いたように、打ち合わせを何度も綿密にするというのは難しいですので、各人の担当を最初に割り振る(新郎新婦が割り振るのがベストでしょう)と、それぞれの人が裁量・予算の範囲内で空き時間に自由に動けるので、準備時間が短くてもスムーズに体裁を整えることができると思います。注意するべきは、仕事を割り振ったあとは、隣の庭が気になっても自分の担当外の事項に口をだすのを慎むこと。たとえ、他の担当の人から意見を求められても、せいぜい一つ意見なり要望を出すくらいがいいかと思います。パーティの準備に限った話ではありませんが、あることを人に任せたあとに、どれだけ口を挟まずにその人の仕事ぶりを見守れるかが、ひとの度量というものでしょうか。また、ある事項について強固な意見を言う人がいた場合、その事項にどれだけ思い入れがあっても、歯を食いしばって(対決するのではなく)何も言わずに「引く」ことも時には必要でしょう。

2 みんなで決めることは、大枠→detail
 とはいっても、個々人では決められないこともいろいろあり、そういうのはみんなで決める必要があります。その際重要なのは、物ごとを大きなものから小さなものの順番で決めていくこと。方法論としては、detailを積み上げて全体を作り出す、というのもあるのですが、まずこのやり方はものすごい時間がかかります。おそらく結婚式二次会パーティでも3ヶ月は必要だと思います。また、detailを組み上げる場合は、案をボツにする勇気が必要になります。つまり、detail Aとdetail Bがどうにもフィットしない場合は、ムリヤリ双方を融合させる方策を練るのではなく、どちらかを捨てなければいけないということで、これは精神力を使いますし、下手すると空気が悪くなります。それに対して、大枠を決めて、中枠、detailと詰めていく場合は、それぞれのdetailは枠に合うものを選んでいくので、案を出してからボツにする必要が出てくることはまれです。まあ、大枠から決めていく場合、たいてい安全パイな選択肢を選んでいくので、悪くいうとありきたりなものになってしまうことが多いのが難でしょうか。また、detailから決めていくと、うまくハマった場合はものすごく素晴らしくまたオリジナリティに富んだものができあがる可能性がありますが、なかなか難しいです。

 まあ、人にいったん任せた仕事はきっちり「任せる」ことと、物事を大枠から決めていく、ということは、(お金が発生しようがしまいが)あらゆるタイプの「仕事」で重要なことだと思います。