冬来たりなば春とうがらし

これまでに経験した困ったことと、その解決法らしきもののまとめ。あと読んだ本。

令和に「大人」を育てる、とは

めっちゃ久しぶりのブログ投稿です。 研究所から大学に移って3年半くらい経ちました。前職は、基本大人ばかりの環境で、他人を育てるというよりは自分がいかに育つか、ということを考えるところでした(間違っているかもしれません)。対して現職は、「大人…

釣られてみた

この記事が評判(?)になっている(?) anond.hatelabo.jp基本、ある学生(同じような考えの人は、世の中にわりといると思います)のお気持ちが、それを補強するロジックとともに述べられているので、それはそれでええかなと思うのですが、せっかくなので…

昨今の大学教員(目的語デカイ)に求められる能力

数年ぶりに大学に職場を移して1年半ほど経ちました。その間、教育・研究・どちらにもほとんど関係ない業務群などを経験し、いろいろ感じることがありました。ここ20年ほどアカデミアのジョブマーケットがわりと(いやかなり)タイトなのもあり、SNS等では…

大学生生活のコスパ追求FAQ

今の大学生は親から充分な仕送りがもらうのが難しく、かといって20年前の大学生みたいにバイトで生活費を稼ぐのも難しい(授業をちゃんと受ける必要があるため)という状況にありがちです。とはいっても、食費や教科書代やなんやかやと出費がかさんでどうす…

「昭和の大学」を出た男のその後

1 大学を出て大学院へ 私たちの世代のアカデミア研究者は、色気づいてから好景気を知らないまま1990年代後半に大学に入学し、古きよき(あるいは古きわろき)大学生活を送ったかなり最後の方の世代でした。私も含めて、学部生活を堪能した後は、大学院…

ラボ作りなば

前回のブログを書いたのが2019年9月ですので、おおよそ1年半ぶりの記事となります。この間に世の中は恐ろしいくらいに変化し、その変化がこれからどのような方向に向かうのか見当もつかない状況ですが、社会状況とはあんまり関係ない理由で私個人の環境も大…

平成にあった「昭和の大学」の墓標 9 完結編 実習と挫折

待っている人いないと思いますが、長らく続けてきたこのシリーズも完結編ということで。前回は(あくまでそれまでと比べたら、ですが)マジメに授業行き始めた3回生時の話を書きました。今回も同じく3回生のときに(たしか)月〜木の午後にあった生物学実…

平成にあった「昭和の大学」の墓標 8 単騎のタンクロウ

前回に書いたように、3回生となった私は無事(?)希望した生物系に配属されました。ところが、私は高校のときに生物を選択しておらず、また大学に入って以降ほとんど勉強しておりませんでしたので、ほぼ何も知識のないまま(DNAとRNAの区別もあんまりつい…

むかし書いた文章

数年前に友人夫妻が結婚された際に書いた駄文を見つけたので紹介。名前の部分は伏せ字にしました。 そして伝説へ Xさん、Yさん、今日の良き日にすばらしい式を挙げられましておめでとうございます。これからよりいっそう素敵なご家庭を作られていくことを楽…

平成にあった「昭和の大学」の墓標 7 秋風五丈原

私が大学生だったほぼ20年前の京都大学では、「連休後に秋風が吹く」と言われてまして、5月の連休が終わるとキャンパスから人の気配がなくなり、授業の出席率もグッと低下してました。聞くところによると、10年ほど前から連休後もほとんど出席率が変わ…

平成にあった「昭和の大学」の墓標 6 夢 with you

私が大学に入った頃にはもう退官されていた森毅先生(亡くなられましたが・・)は、答案用紙を紙飛行機にしてよく飛んだものが点数が高かったとか、数学の試験が「カレーの美味しい作り方」だったとかの伝説がありました。私もそのレベルではないですが、い…

平成にあった「昭和の大学」の墓標 5 めぐりあい単位

ここでは、私を含めた無気力学生がどのようにして(努力することなく)必要な単位を揃えようとしていたのかを紹介します。 1 虎の巻と口コミ 入学式などで、クラブ・サークルの勧誘や不動産屋のチラシの他に(たしか)生協が作っていた授業ごとの単位の取り…

平成にあった「昭和の大学」の墓標 4 鳴かぬなら自分で決めよう時間割

私が大学に入った頃は、いわゆる「教養部解体」が行われたあとでして、1−2回生の間にかつて「一般教養」と呼ばれた授業(単位)と共に学部提供の専門の単位もいくつか取得するシステムとなっていました。当時の京都大学理学部では、一回生の語学といくつか…

平成にあった「昭和の大学」の墓標 番外編 学部の愛称(?)

私が学生だった頃、京都大学の学部で愛称があったのは(筆者調べ) 理学部:就職ムリ学部 工学部:おとこう学部 経済学部:パラダイス経済学部(通称パラ経) 法学部:あ法学部 他にもあった気がしますが、思い出せない(よる年波

平成にあった「昭和の大学」の墓標 3 「厳しく」なったカリキュラム

志望校だった京都大学理学部になんとか入学できたわけですが、とくにやりたいことや勉強したいこともなく、のほほんと暮らしたいと思っていました。その頃の京大理学部は(それまでと比べて)カリキュラムが厳しくなったと言われており、私も先輩方から「厳…

平成にあった「昭和の大学」の墓標 2 「昭和の大学」に入るまで

いきなり私事になりますが、私は大阪の某ニュータウンで生まれ育ちました。両親は共に高卒で、おそらく「生まれた時点で大学進学が選択肢になかった」人生だったと思います。私はなぜか学校の成績がよくて、地元でいちばんと言われる公立高校に進学しました…

平成にあった「昭和の大学」の墓標 1 プロローグ

無事、元号が令和に変わりましたが、平成の30年間で大きく変わったものの一つに大学があります。かつての大学はレジャーランドなどと揶揄されつつも、高校まで存分に詰め込み教育を受けてきた学生たちに、それなりに羽根を伸ばす(伸ばしすぎることも多々…

ハイネックの服

久しぶりの記事。 ハイネックのセーターとか、シャツとかわりと好きです。というわけで、ハイネックの服のいいとこと悪いとこをまとめてみます。 いいところ 首筋がぬくくなる 中にヨレヨレのTシャツとか着てもばれない 悪いところ 首が絞まる感がある 首周…

変わっていくものと残るもの

去年に引き続いて、若くして亡くなられた友人のご両親にお会いしてきました。ちょうど盆だったため、お母さまからは「こっちに帰ってきているときに会いに来てくれて・・・」と歓待していただきました。昨年と同様、お仏壇の友人にお参りしたあと、お母さま…

押して、引く

先日、久しぶりに友人の結婚式に出席しました。結婚式に出るたび思うことは、多くの人に祝福されるというのはいいものだなあ、ということです(月なみですが。生きていて辛いことがあっても、人に祝福された経験を思い出すことができれば、乗り越える糧にな…

山を登って降りる

先日、お子さんを若くして亡くされたご両親と会う機会がありました。亡くなられた人と私の共通の友人の方に誘っていただき、大変ありがたかったです。そのお子さんを亡くされてちょっとした時は、とくにお母さんの憔悴具合がいかにも気の毒で、かける言葉も…

うんちく語りなば

他人に好かれることはなかなか難しいものですが、嫌われる(いやがられる)ためには、わりと典型的な方法があります。その一つが「うんちくを語る」ことでして、誰かがうんちくを語り始めると、まあたいてい場の雰囲気がビミョーになるもんです。とわかって…

役にたたない一人暮らし入門

入試シーズンも終わりに近づき、進学・就職などで春から一人暮らしを始める人も多いことでしょう。ネット上には一人暮らしを始める人に向けた役に立つアドバイス集が星の数ほどありますが、あえてその星くずに一つ加えようかと思います。基本的に実体験に基…

必要ナイヨン

日々生活して、「必要ないなあ」と思うことは「偉ぶること」 ある人が実際にエライのなら、偉ぶらなくても自然と周りの人は相応に扱ってくれるし、リスペクトもされるだろう。 でも、実際エラくない人が偉ぶったら、周りの人は「なんじゃこいつ」と思うだけ…

ヨーロッパ−中東をお勉強

2010年代になってからずっと落ち着くヒマのないヨーロッパ・中東情勢。ヨーロッパは経済(金融)危機と難民(受け入れ)問題、中東は民主化を求める動きに引き起こされた内戦と難民(輩出)問題、と課題のタネは違いますが、どれにしても一朝一夕に解決する…

カーナビのココロは親心(?)

私は運転が下手なので、カーナビは必要不可欠です(頼り切りともいう。自家用車を買うときにも、もちろんカーナビを付けて(オプションの中では一番安いやつでしたが・・・)、さらに3万円ほど足してバックモニタも追加しました。おかげさまで、バックモニ…

Macを修理してみた

仕事で使っているMacbook Proのディスプレイのコーティングがだいぶ前から剥がれるようになっておりまして、これはリコール対象になっており無償修理してくれるのですが、修理を頼むのが面倒で(剥がれの範囲が、画面の表示部分以外だったというのもあります…

はじめてのシム

先日、appleのipad proがお安くなったので、ついに買いました。思い起こせば、5年以上前からipad買いたい・買わないと言い続けていたので、かなり時間をかけて購入に至ったことになります(父親には3年くらい前にipad airを買ってあげましたが)。で、せっ…

ノリノリの海苔

本当に好きな人と比べたら全然ですが、たまに(お店の)ラーメンを食べたくなることがあります。で、長い間ギモンだったのが、ラーメンに入っている(ことがある)海苔の存在意義。どうやって食べるのかわからないし、わりと海苔自体に独特の風味があるので…

進化の真価が問われる(誰に?)

私は進化そのものを研究しているわけではないですが、仕事を進める上で進化を考えないといけないことが多いです。その割にまともに進化をこれまで勉強してきてないので、いろいろ本を読んで知識を増やしたりしています。そんなわけで進化に関わる本をいくつ…